0019/02/27

露伴の気持ち

当ウェブサイトの「ゲーム」コンテンツでも触れましたが、とらのあな様とメロンブックス様にて、『Return to Farland』と『Forgotten Saga』の委託販売が開始されました。通信販売だけではなく、店頭販売も行われますので、近所に店舗がある方はぜひ足を運んでみてください。
もちろんメッセサンオー様でも取り扱っていただいておりますので、こちらも引き続きよろしくお願いします。

こうして委託をしていただけるのも、ユーザーのみなさんの支持があってこそだということを実感しています。しかし、同時に、創作する側として、『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する岸辺 露伴の気持ちがわかるのです。つまり、「そのうち誰も自分の漫画を読んでくれないんじゃないか」という感覚です。……例え話がアホですが。
でも、これは何か表現をしている人は誰しも思うはずなんです(たぶん)。ゲーム制作、特にRPGにおいては、制作期間が長期にわたるため、この思いがさらに強くなります。だから、創作活動には、"形にしたい"という情熱と、"絶対に完成させる"という根性が必要になります。
以前、メッセサンオー様の店舗に行ったときに、そこにはものすごい数の「創作物」があったわけですが、その一つ一つが、作者のそういった情熱から誕生しているのだと、ふと思いました。

そうやってできた「Return to Farland」と「Forgotten Saga」が、何らかの縁でプレイヤーの手に渡り、その作品から何かを感じてくれるなら、制作者としてとてもうれしいことです。

0019/02/20

神様ありがとう、僕に友達をくれて。

はい。
坂本です。
諏訪部にひきつづき風邪に侵されてしまいました。油断大敵です。
先週はバレンタインとか春一番とかネタの宝庫だったのですが、旬が過ぎてしまったのでもう触れないでおきます。
ところで最近は、暖冬らしからぬ寒い日もありますね。

寒い夜なんで、クルルの話をします。
「クルルってなんですか?」「モデルってあるんですか?」「犬ですか?」「猫ですか?」的な質問をReturn to Farland公開当初、よく頂きました。公開当初っていうともう2年半前ですよ。えらいことです。
今現在は、笛吹先生のイラストがあるので、おおよそモデルの検討はつくかと思うのですが、最初は「あらいぐま」にしようと考えていました。ラスカル的な。動物パートナーというと真っ先に浮かんだのがあれだったので、笛吹先生にもそうお願いするつもりだったわけです。ですが、そんな矢先に風太君が立ったりしました。なにはともあれ、レッサーパンダ。色がそのままだとラスカルなんで、色違いでお願いしますとか微妙なお願いをした記憶があります。
毛がもふもふしたレッサーパンダみたいなもの、というのがひとつの答えなわけです。なんていうかノープランですね。

そういえば、動物の毛皮は濡れると発熱するという性質があるそうです。雨に濡れても、うずくまって寒さを乗り越えられるそうです。あら便利、人間にもそんな機能があったらよいのにと羨ましくなって、ふと思いました。
泣いたり、寝たりしたあとに、哀しさや辛さが和らいでいるのは、それに近いかもしれないですね。

0019/02/06

MEETS YMO

キリンラガービールのCMに、YMOが出演しています。3人がそろって登場するのは、いったい何年ぶりでしょうか。
このCM。話を聞いて、キリンのウェブサイトに行って見たんですが……思わず汁が噴出しました。

私は、やはり使用機材に目を奪われました。
まず目につくのは、ドラムの高橋氏の後ろにおわします伝説のシンセ「MOOG IIIc」。置物じゃないですよ。"タンス"なんて呼び名もありますが、コードをバシバシ挿して音作りをするシンセです。
細野氏が弾いているのは、"出っ歯"と呼ばれる(鍵盤がはみ出していることから)ARP Odysseyというシンセ。このCM曲の『RYDEEN』の元のバージョンでも使用されていました。
坂本氏は、「Moog」と「トイピアノ」を弾いていますね。
3人とも、まぁそれなりに年齢を重ねているのですけれど、非常にいい表情ですね。人間の厚みがにじみ出ていました。


YMOといえば電子楽器なんですが、ゲーム音楽の歴史も、電子音楽の歴史と重なる部分があります。ファミコンの時代には、ノイズのような音しか出せませんでしたが、今では携帯ゲーム機でも、かなりクリアな音を出します。
当時のYMOも、機材にはだいぶ苦労した面もあるそうですが、その制約のなかでも、楽曲は高度な音楽理論やシーケンスと手弾きの融合によるもので、本質的な部分がしっかりしていたから、今でも高い評価を受けているわけです。

作曲をするなかで、音数がたくさん使えると、けっこうズル(?)をして、音でごまかしたりしちゃうことがあるんですよ。
いつも気をつけてはいるのですが、どうやってもその音しか使えない、という状況でない時以外は、なかなかシンプルに楽曲やコードだけの勝負から逃げてしまいがちです。

時代は変わるけれど、変わらないもの、変わってはいけないものもある。
いつも気をつけていきたいですね。