0019/03/05

街をつくろう!

今回はマップのお話をば。

RPGのマップというものは、まさに箱庭です。プレイヤーは、木や、建物といったシンボルマークの中を歩き回ります。それらのシンボルマークは、ただの図形でしか過ぎないのですが、受け手がそれに意味付けをして考えているわけですね。大げさな言い方をすると。

では、我々が普段(現実世界の)街を歩いているときはどうでしょう? 何も考えずにただ徘徊しているわけではなく、頭の中にはちゃんと鳥瞰図があるわけです。そうでなければ目的地に到着できません。
人間は、それを共有しようということから「地図(マップ)」を作りました。しかし、地図もまた、ただ絵やシンボルマークが記載してあるだけのものであり、地図の見方を知らなければ意味をなさないわけです。

なんだか小難しいような話になってきましたが、両者とも人間の想像力があってこそ成せる業だねぇ、すごいですねぇ、ということです。そういう意味では、ゲームのなかで街を歩いているのも、現実世界で街を歩いているのも、認識としてはあまり変わらないような気もします。だからこそ、ゲームの世界観を楽しめたり、入り込めたりできるわけですけどね。


私は、マップを作成する時には、一歩引いて見る。全体を見渡すということを特に気をつけています。そして、そのマップに広がる物語も想像します。例えば街だったら、あの角を曲がったら、赤い屋根の家があって、その庭には大きな木がある、という具合です。そこでは、人々が日々の生活を送っています。
普段、我々が現実世界でも何気なくすれ違う人々。他人といえば他人ですが、その一人一人にそれぞれの生活があり、人生があり、そんな人々が集まってできたものが街なわけです。
Return to FarlandやForgotten Sagaの住人たちには皆ドラマがありますが、こういう考えのもとに演出をしていますのです。

マップは、いってみればただの背景でありますが、そこを基本として「生きている街」に仕上げるのは大変です。非常に忍耐の要する作業でありますが、納得するまで作り込みます。何から何まで自分の思い通りにできることなんて、そうそうありませんからね。